主演:奥野匡

主演:奥野匡

奥野匡(おくのただし)は東京都出身の俳優です。文学座、劇団NLTを経て、現在は希楽星という芸能事務所に所属しています。主にテレビドラマや舞台での脇役・エキストラを長く務めています。「ライク・サムワン・イン・ラブ」ではオーディションで主役の座を勝ち取り、84歳で映画初主演を果たして話題となりました。

プロフィール

1928年1月10日生まれ。東京都出身。本名は奥野滋です。身長は166㎝、体重は73㎏です。文学座や劇団NLTを経て、長く脇役を務めています。特撮モノにも良く出演しており、博士役をやることが多いです。50年以上の俳優キャリアがありますが、そのほとんどが端役、もしくはエキストラでした。ですが、2012年、「ライク・サムワン・イン・ラブ」で84歳にして映画初出演を果たしました。同作品は第65回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式招待作品に選出され、監督や共演者らとレッドカーペットの上を歩きました。その際、「人生初の海外旅行」と発言しています。また、受賞はならなかったものの、「80歳を過ぎてこんな経験をするなんて、びっくりするばっかり」と感想を述べています。

キアロスタミと奥野匡

イランの名匠キアロスタミによって発掘された奥野匡ですが、キアロスタミはインタビューなどで彼を度々絶賛しています。彼が長年脇役で培ってきた間の取り方が絶妙なのだそうです。また、キアロスタミは奥野がずっと脇役しかしてこなかったことを聞き、今回の映画で主役であることを伝えたら彼がプレッシャーで恐怖を感じてしまうのではないかと考え、最初は小さい役だと伝えていたそうです。また、出演陣には前日に翌日分の脚本のみを渡すというスタイルがキアロスタミの常套手段なのですが、奥野に関しては脚本を一切渡さず、シーンごとに言ってほしいセリフを伝えるという演出方法を取ったそうです。奥野はこのことに関し、「台本なしでやって、どうなるんだろうと思いながらやった。だけど、劇上がりを見たらちゃんと映画になっているんだ」とコメントしています。また、キアロスタミの印象について「監督とはあまり話さなかった。何か話しても監督は、素晴らしいとか、そんな言葉しか言わなかったんだ」と語っています。

主な出演映画

1972年「鏡の中の野心」
美容会を牛耳る最大勢力・谷本学園の乗っ取りを計画する男・瀬木山とその愛人、そして学園の校長・香子の熾烈な争いを描いた映画です。主演のひし美ゆり子の大胆なラブ・シーンが話題となりました。
1973年「恍惚の人」
有吉佐和子の同名小説を映画化した作品。森繁久彌主演。認知症をいち早く扱った文学作品で194万部のベストセラーとなり、この作品がきっかけで痴呆・高齢者の介護問題にスポットが充てられるようになりました。立花家の主治医役で出演しています。
1974年「野獣死すべし」
大藪晴彦の同名小説を原作とした映画です。戦争で心に傷を受けた主人公が、心に巣食う闇と日頃培った能力を解き放つかのように完全犯罪を行うというストーリーです。水野志津男役で出演しました。
1982年「幻の湖」
雄琴のトルコ嬢の愛犬の死を発端とする壮大な物語が展開される「ネオ・サスペンス」なのですが、あまりに難解な内容のために失敗作と言われました。しかし近年日本屈指のカルト映画として一部で人気を集めています。
1983年「小説吉田学校」
政治評論家の戸川猪佐武による実録政治小説を映画化した作品です。森繁久彌が吉田茂役で主演しました。奥野は国会議員の1人として出演しています。
1991年「JINGI 仁義」
立原あゆみの漫画を原作とした実写映画です。鉄砲玉の仁と元テロリストの義郎が偶然の出会いから意気投合し、敵対するものと戦い続けてヤクザ社会で出世していくという物語。砂川明治役を演じました。
2000年「平成金融道・マルヒの女」
多産監督、和泉聖治による「平成金融道・裁き人」の続編です。倒産回避のプロである主人公が、ゲーム感覚で会社を倒産させる倒産屋と戦う様を描いています。井上新吉役で出演しました。
2000年「釣りバカ日誌イレブン」
釣りバカ日誌シリーズの第11作目です。ロケ地は沖縄県で、平成不況の真っただ中を行く鈴木建設の苦悩と、そんなことはお構いなしに釣りがしたいハマちゃんのドタバタコメディーとなっています。
2004年「恋人はスナイパー」
テレビ朝日系でスペシャルドラマとして放送された作品の完結篇映画です。天才スナイパーのウォン・カイコーと国際二課の刑事・円道地きなこの活躍を描いています。
2009年「ディア・ドクター」
西川美和監督の映画で、笑福亭鶴瓶が初主演した作品です。山間部に位置する小さな村営診療所で、村唯一の医者として働く主人公が失踪してしまうという物語です。山岡辰夫役を演じました。
2012年「キツツキと雨」
ある山村を舞台に、職人気質の木こりの男と、ゾンビ映画の撮影でやって来た気弱な新人映画監督の青年との交流を描いた作品。役所広司と小栗旬のダブル主演が話題となりました。
2012年「ライク・サムワン・イン・ラブ」
84歳にして自身初の主演を務めた映画です。

主な出演舞台

1964年「喜びの琴」
信頼していた上司に裏切られた若い巡査の悲劇を描いた三島由紀夫の戯曲です。文学座で上演される予定でしたが、思想上の理由により上演中止となりました。これがきっかけで奥野は文学座を脱退しています。その後紆余曲折を経て1964年に日生劇場で公演されました。
1964年「シラノ・ド・ベルジュラック」
17世紀に実在した、哲学者であり、理学者であり、詩人、剣客、音楽家と多才ですが、類まれな醜い容姿を持つシラノ・ド・ベルジュラックを主人公にしたエドモン・ロスタン作の戯曲です。
「椿姫」
アレクサンドル・デュマ・フェスが1848年に実際の体験を基にして書いた小説を戯曲化した作品で、人々に長く愛されている人気作です。これまで幾度も映画化、舞台化され続けてきています。